技術紹介

「ZEH」の基準は省エネ基準より厳しい?


ZEH/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの政府目標は 2030年度に 313万戸

政府は 2021年10月に閣議決定された目標「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」、「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」の達成に向け、ZEHの普及に向けた取り組みを行っています。

政府が積極的に推進している環境性能が非常に高い省エネ住宅で、年々その建築棟数は増え続け最新の2021年度実績では、注文戸建て住宅のZEH普及率は 26.7%にもなっています。しかし巷でささやかれている声を聞くと、何やら色々必要で、大変な住宅なのだとか・・・ ホント???
そこで今回は、あらためて ZEHで求められているものを簡単にご紹介しておきましょう。

4つの定義に適合しているかで判断される

ZEH Net Zero Energy Houseの略称で、省エネルギーを実現した上で 再生エネルギー等を導入、年間の一次エネルギー消費量の 収支をゼロにすることを目指した住宅 と定められています。

定義の基本は「断熱性能等を大幅に向上させた住宅に、高効率設備機器を導入して大幅な省エネ。その上で再生可能エネルギーを導入、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロになる事を目指す」と言うことになるのですが、少しわかりにくいですね。簡単に「エネルギーを極力必要としない、エネルギーの収支がほぼゼロの住宅」と言えばわかりやすいでしょうか?

必要な4つの基準とは。

その① エネルギーを必要としない住宅
従来の省エネ基準より厳しい高断熱基準に設定されています。強化外皮基準の建築物エネルギー消費性能基準を満たした上で、省エネ基準の 外皮平均熱貫流率 (UA値) と比較して 2割以上強化。平均日射取得率 (ηAC値) 、気密・防露性能の確保などにも留意する となっています。

①_強化外皮基準/断熱性能















その② エネルギーを上手に使う住宅
 導入する住宅設備の高効率化が必要になります。対象は基準一次エネルギーで、暖冷房換気給湯照明/石油、石炭、天然ガスなど の消費量から 20%以上の消費量削減が必要です。(電気は二次エネルギーになります)

②_基準一次エネルギー消費量20%以上削減












その③ エネルギーを作る住宅
 ZEH (ネット・ゼロ・エネルギー) を目指すため、 太陽光発電などを導入し (容量不問) 、再生可能エネルギーを創出します 。

③_再エネの導入












その④は、上記①~③の定義(基準)を踏まえたうえでの定義。

年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにする 事を目指す住宅!

つまり 熱エネルギーを逃がさずに消費量を削減、創ったエネルギーで結果的に収支をゼロ以下にする、年間の 一次エネルギー消費量の収支をゼロにする 事を目指す住宅。そうです、
エネルギーを極力必要としない、エネルギーの収支がほぼゼロの住宅」ですね。

④_つまりZEHとは





















ZEHのメリット・デメリット

 ZEH の定義を満たそうとすると住宅の断熱性能だけでなく、必要な設備が多くなったり、費用が掛かるなどのデメリットがあります。しかしその代わりに得られるものは多く、快適性能や経済的なメリットを兼ね備えたうえで、地球温暖化対策としての環境的な性能も優れています。

その① 快適性アップ
省エネ性能を上げながら快適性も大きく向上しています。高断熱の家は室温を一定に保ちやすいので、夏は涼しく、冬は暖かい快適な生活が送れます。さらに冬は効率的に家全体を暖められるので、急激な温度変化によるヒートショックのリスクを減らす効果もあります。

その② 光熱費削減
高い断熱性能や高効率設備の利用でエネルギー消費量を減らすことが出来るので、月々の光熱費を安く抑えられます。また太陽光発電等の創エネで売電を行った場合には、収入を得ることができます。
さらに台風や地震等、災害発生の停電時に太陽光発電や蓄電池を活用すれば、電気を使うことができるので非常時にも安心な生活を送ることができます。

 その③ Co2削減
地球温暖化防止や省エネ化を、人が我慢するのではなく、便利になることで「快適なのに省エネ」の最先端なのが ZEH住宅です。つまり 2030年のCO2削減目標達成の柱として考えられている住宅です。

⓪-2_ZEHの定義とメリット








自分たちの使うエネルギーを、自分たちで作る時代へ!?
 ZEHは、そうした次の世代の時代に進むための住宅とも言えます。

※注 ZEH とは、あくまでも対象の年間エネルギー消費量の合計と創エネルギー量の差し引きが、おおむねゼロ以下を目指すもので、売電をして光熱費がゼロになるという意味ではありません。しかし、大幅な削減が出来る事には違いありません。 誤解のないようにご注意下さい。


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